中日松坂大輔投手(37)が、オリックスを6回1安打無失点に抑える快投をみせた。

 日本球界復帰後9奪三振は最多で無失点も初めて。「球自体は悪くなかった。別に四球でも安打でも、盗塁されようとホームに返さなければいい。それは高校時代から一緒です」。投手陣は前日までの4試合で27失点。その手本となるべく、粘りの投球で強力打線を翻弄(ほんろう)した。「(7回も)行きたいと言ってたが、止めた」。森監督は6回の打席で代打を送った。だが2番手祖父江が7回を抑えたものの、8回に鈴木博が4失点で白星はスルリ。交流戦2年連続の2連敗発進になった。

 114球の熱投は、ファンへの強烈なアピールになった。19日の球宴ファン投票中間発表初日は、先発部門1位の巨人菅野に約5500票差の2位。だが松坂は1日で約1万票を上乗せし、約2500票差まで差を詰めた。「たくさん票をいただいたことは素直にうれしい」。球宴第2戦は熊本・藤崎台球場。ソフトバンク時代の16年に起きた熊本地震で被害を受けた同球場には、修繕費を寄付してきた。完全復活を印象付けた登板は、12年ぶりの球宴出場への扉を開けるかもしれない。