DeNA佐野のプロ初本塁打が、言霊とともに右翼スタンドに飛び込んだ。2回先頭の打席。ソフトバンク千賀の3球目を見逃さなかった。ど真ん中の直球を引っ張った打球は、プロ入り初めてアーチを描き先制ソロ。1軍昇格した前日と、この日の試合前、打撃練習でラミレス監督から「今季初安打が初ホームランになるよ」と言われていた。佐野は「言霊のようで自分でもびっくりしました」。言葉の後押しを受け147キロの球威をはね返した。

 交流戦初のビジターカードによるDH制でチャンスが舞い込んだ。指名打者の筒香に代わって左翼に入り、同監督は「4番の筒香の後にまかなえる選手として抜てきした」と打順は5番を託された。前夜のサヨナラ打を打った山下とともに昇格した“ラミチルドレン”が、またしても打棒を振るった。佐野は4回にも右翼線二塁打を放ち「筒香さんと勝負を避けて、自分勝負してくると思っていた」と備えていた。

 昨季11月のソフトバンクとの日本シリーズは、1軍にいなかった。「1球勝負でいかに捉えられるか。打ってアピールするしかない」と、自分自身に念じるかのように話した。【栗田成芳】