DeNA神里が“受け流した”決勝打を含むプロ初の4安打で、2連勝をもたらした。3打数3安打で迎えた7回。力勝負にきた日本ハム西村の149キロの直球を流し、左中間へ勝ち越し適時二塁打を放った。前夜の試合前、同学年の西村から「お前には打たれない」と言われても「そっか」とどこ吹く風。逆らわず自然体のスタイルで制した。

 日本生命からドラフト2位で入団した24歳は開幕スタメンを勝ち取った。しかし、5月中旬から2週間先発を外れた。三振数はチームトップ。結果を求めすぎて力みが生まれた。打撃を見つめ直し「タイミングを早くしてインパクトの瞬間だけ力を入れる。今は上半身には力を入れないように」と準備は整っていた。

 会場には地元・沖縄から両親が来場していた。沖縄・豊見城高で甲子園大会に出場し、社会人のプリンスホテルでもプレーした父昌二さん(58)からは前日LINE(ライン)がきた。「明日はお立ち台よろしく!」。返信はしないで既読スルー。その代わりヒーローインタビューで「おとん、おかん、やったよーっ!」。孝行息子は受け流さないで、しっかりと返した。【栗田成芳】