ソフトバンク柳田が、今季初の2打席連続アーチなどで全5打点を挙げ、連敗を4で止めた。ナゴヤドームの広さも関係なし。3回1死一、三塁、左腕大野雄の高め146キロ直球を左中間スタンド中段へたたき込む15号3ラン。「少し詰まったが、しっかり捉えられた。いい感触だった」。5回にはスライダーを同じく左中間スタンドへ。「少しタイミングを外されたけど、うまく芯で捉えられ、打った瞬間入ったと思った」と2本目の16号ソロは会心の当たりだった。

 工藤監督も「逆方向に打っても彼は右打者と変わらない。1人で5打点。すごいですね」と驚くしかなかった。8日の中日戦での中堅守備中に不慣れなナゴヤドームの人工芝で右足を滑らせ、右太もも裏下部を痛めた。9日からは少しでも負担を減らすために首脳陣は左翼で起用。全力疾走ができない状況でも犠飛、本塁打と走らずに打点を積み重ねた。

 試合前のフリー打撃では最初と途中に右打席に入り、数球を見逃した。「右打席ではめっちゃ見やすかった」と反対打席での感覚を練習に生かした。最近では左腕相手では右足を少し引いて開いて構えるなどより思うようなフルスイングができるようにしている。

 「久しぶりに勝ってホッとした」と笑った。明日12日からは本拠地で巨人、広島と6連戦。足は万全ではなくても、狭いヤフオクドームならバットで大暴れできる。【石橋隆雄】