中日松坂大輔投手(37)が試合直前に先発を緊急回避した。球団は「背中のけいれん」と発表。重傷の可能性も出てきた。

 松坂は球団広報を通じて「ブルペンに入って投げ始めたところで背中がつってしまい、何とか投げようと思ったのですが、けいれんが収まらなかったので登板を回避させていただきました。たくさんの方が投げるのを楽しみに来てくれた中で、このような形になり申し訳ありません」とコメントした。

 通常通りにウオーミングアップを行い、キャッチボールをへて、ブルペンに入ったが、体を気にするような動きを繰り返した。投手コーチや球団関係者がベンチの森監督と連絡をとり、回避が決定。厳しい表情で朝倉投手コーチとともにベンチに下がった。審判団と西武の了承を得た上で、先発を取りやめた。

 開始7分前に「先発ピッチャーの変更をお知らせします。松坂に代わりまして、藤嶋」と場内アナウンスされると、古巣西武のファンからも「ええ~」と大きなため息が漏れた。

 試合は、松坂に代わって、プロ初先発となる藤嶋が緊急登板した。

 松坂は治療を受け、午後2時30分ごろに球場を離れた。表情は一段と険しくなり、歩くのもつらいようなゆっくりとした足取り。西山球団代表は報道陣に取材の自粛を求めるなど、ものものしい雰囲気が漂った。松坂は同代表に腰を支えられながら、メットライフドームの階段を約5分かけて上がった。タクシーに乗り込むのにも時間を要し、症状の重さを感じさせた。

 西山代表によると長時間の移動に耐えられる状態ではないため、この日は都内に宿泊。後日、病院で検査を受ける予定だという。

 たび重なる肩などのケガを克服し、今年、中日で復活の白星を挙げた松坂。「マイナビ オールスターゲーム2018」のファン投票の中間発表ではセ・リーグ先発投手部門で巨人菅野に大差をつけ、選出を濃厚にしていた。この日がファン投票の最終日だったが、今後の行方が不透明な状況になった。