日本ハム中田翔内野手(29)が、サッカー日本代表から2年ぶりのV奪還へ大いなる刺激を受けた。20日、札幌ドームで全体練習に参加した主将は、前日19日にロシア・ワールドカップ(W杯)で強豪コロンビアを倒した日本の戦いぶりに共感。下馬評を覆して結果を残したサムライブルーと開幕に低評価を受けていたチームを重ね合わせ、射程圏に入るリーグ制覇への思いを新たにした。

 中田主将は、力強く勝ち点3を奪ったサッカー日本代表にシンパシーを感じていた。前夜のコロンビア戦を「軽く」テレビ観戦したという。日本が勝利したことはもちろん、チームの現状と重ね合わせると、実に感慨深い勝利だった。

 中田 ウチの開幕の時と一緒で、試合前の評価はコロンビアが強いと言われていたけど、覆した。強さを感じた。ウチも開幕前は評価が低かった。最下位予想もされていた。それでもやれると証明してくれて、うれしかった。

 下馬評を覆した日本代表イレブンの戦いぶりに感動した。日本ハムも開幕前の評価はBクラス予想が大半だった。その中で、現在は首位西武と1差の2位につける。周囲の低評価を見返すだけ、という状況は同じ。日本一になった16年以来のリーグ制覇へ、世界も驚かせた快勝劇から大きな勇気をもらった。

 自信も確信へ変わりつつある。「自分たちの野球さえすれば、どこにも負けない自信がある」と、言い切れる。チームは大きな波もなく、安定した戦いを続けている。ペナントレースを戦ってきて、つかんだ手応えから「うまい具合にまとまれば、最強のチームになる」とも、豪語した。

 例年では珍しい混戦模様のパ・リーグだが、頭1つ抜け出す準備は出来ている。ロシアでサッカー日本代表が格上相手に見せた半端ない勝利を追い風に、主将中田が中心となって世間を驚かす優勝を成し遂げてみせる。【木下大輔】