3連敗のヤクルトにも、収穫があった。ドラフト2位大下佑馬投手が7回から3番手でプロ初登板。

 2回で3奪三振の無安打無失点と最高のデビューを飾った。「1軍に上がってきたばかりなので、とにかく出来ることを出そうと思った。出来すぎですね」と謙遜した。

 初登板らしく、思い切り腕を振った。先頭の陽岱鋼を得意のスライダーで空振り三振に仕留めると、続くマギーのバットも宝刀スライダーで空を切らせた。「やってきたことをやるだけとマウンドに上がって、カウントを整理しながら投げられた。スライダーは2軍からよく投げていて1番自信のあるボール」と、名刺代わりに得意ボールをどんどんと投げ込んだ。

 ルーキーらしい投げっぷりのよさに、小川監督も「思ったより落ち着いて投げていた。2軍からの報告よりもスピードが出ている感じがした。制球も安定して投げていた。プロ第1歩なので、これから頑張ってほしい」と高評価。田畑投手コーチも「チャンスがあればどんどん経験させた方がいいからね」と期待した。

 もちろん、大下もここで満足していない。「もっと直球を磨いてやっていきたい。これで終わりじゃないので、続けて1軍で生き残れるようにしたい」。即戦力の評価で入団した右腕のプロ生活が、幕を開けた。