投げて、抑えて、打って、走って、イケメンで、妻思い…。ヤクルトのデービッド・ブキャナン投手(29)が完投&2安打1打点の投打の活躍でチームトップの6勝目を挙げた。9回に完封を逃し「悔しいけど、チームが勝って良かった。それがすべて」と喜んだ。

 打撃では3回無死から二塁横への打球で、一塁へ全力疾走。内野安打で出塁し、青木の先制3ランで生還した。4回1死二塁からは左翼線へ適時二塁打。前日25日の投手練習では、先発のメニューをすべて終えると、酷暑の室内練習場で黙々とマシン打撃を始めた。

 「ピッチャーの中には打撃にシリアスではない人もいるが、自分はチームを助けるために一生懸命やる。走らないといけないところは100%で走る」

 本職の投球ではカットボール、ツーシーム、カーブとテンポよく投げ込み、17アウトを内野ゴロで奪った。自身5月4日以来の完投は、チームにとっても今季2度目の完投勝ち。6連戦初戦で、登板過多の中継ぎを休ませた意味は大きい。

 試合後はクラブハウスで、ブロンドヘアの美女、アシュリー夫人と熱い抱擁。10月に第1子が誕生予定で、大きくなったおなかにほおずりを決めた。投打に全力プレーのパーフェクトな1日を、映画のようなビューティフルシーンで締めくくった。【前田祐輔】