阪神のドラフト1位ルーキー馬場皐輔投手(23)が「二刀流」の輝きを放った。ウエスタン・リーグのオリックス戦(甲子園)に先発し、自己最長の7回を投げ6安打2失点と好投した。4回の打席では左越えに「プロ初アーチ」をかけた。

 予想外の放物線に甲子園がどよめいた。2-0で迎えた4回2死一塁、オリックスK-鈴木の146キロ直球を完璧に捉えた。乾いた打球音が響き、白球は左翼席に吸い込まれた。「たまたまです。ピッチャーなので、今日は投げることに集中していました」。本業の投球でも堂々の仕事ぶりだ。最速148キロの直球に加え、変化球も低めに制球。8奪三振の力投でねじ伏せた。

 試合後、矢野2軍監督は開口一番に「あれ(本塁打)はすごいぞ。打球もすごいし」と感嘆。投球内容にも「すごくいいという感じではないけど、先発としての仕事はしっかりできた」と合格点を与えた。

 秋山が6月30日に出場選手登録を抹消され、明日3日からの1軍9連戦では馬場に先発機会が巡ってくる可能性もある。「まだまだストレートにこだわりを持ってやらないと。1軍で活躍するにはストレートが大事なので」。新人右腕は来る舞台に向け、冷静に課題をみつめた。【吉見元太】