雨降って、アグーのフォームが固まった。西武山川穂高内野手(26)が楽天岸から2打席連続本塁打。2回先頭で直球を捉え先制の21号ソロを放てば、4回先頭でも22号ソロ。いずれも左翼へ引っ張った。球界屈指の好投手を圧倒したが「対、岸さんというよりも、自分の打撃をすることを考えていました。直球が強いし、伸びてくる。それを仕留め切れたのが良かった」と、ほおを緩めた。

 4日ぶりの試合だった。4日から移動練習、雨天中止、雨天中止。シーズン中には珍しく3日間も試合がなかった。試合前は、この日を含む3日連続で室内での打撃練習。これが功を奏した。「フォームを、より意識しました。外だと、どうしても飛ばす。室内でしっかり修正できました」。豪快に飛ばす練習も悪くはない。ただ、限られた環境で丁寧なスイングを心掛けた。

 後輩への援護にもなった。高校、大学が同じ多和田が先発した試合は今季14試合で9本塁打。1発が出なかった7試合は、多和田は3勝3敗だが、本塁打が出た7試合は6勝0敗と負けなしだ。「たまたまです。でも、良かったですね」と頼もしい先輩は言った。辻監督は「いい投手は、なかなか点が取れない。ホームラン2発しかなかった」と4番に最敬礼した。チームは3連勝で、2位日本ハムとのゲーム差は3に広がった。前半戦首位ターンが見えてきた。【古川真弥】