昭和の男は、球界で最もタフな男だ! 巨人山口俊投手(31)が、前半戦最終戦のヤクルト戦で自らの誕生日を祝う今季7勝目を挙げた。3戦連続の中5日で先発し、6回を3失点。1回から34球を要する苦しい立ち上がりも、粘り強い投球を披露した。前半戦は15試合に先発し、12球団最多の1796球を投じた。昭和62年生まれ。「昭和の男なので」と自負する右腕の力投で、チームは今季3度目の同一カード3連勝を含む4連勝。首位広島と6ゲーム差の2位で前半戦を折り返した。

 山口俊はのっし、のっしと歩き出した。1点を返され、3点差に迫られた6回2死二塁。ヤクルト青木を136キロのフォークで空振り三振に沈めた。8安打されながらも6回3失点に切り抜け、マウンドを救援陣に託した。「最低限だったかなと思います。打線が打ってくれて感謝です」と貫禄たっぷりに振り返った。

 昭和62年生まれの男は誰よりも腕を振ってきた。前半戦は菅野に並ぶチーム最多の15試合に先発登板。この日も汗だくになりながら、110球を投げ、開幕からここまでの通算球数は12球団最多の1796球に達した。チーム唯一の3度目の中5日での登板に「体はちょっと重かったけど、そんなことは言ってられない」と気迫で疲労をねじ伏せた。

 昭和から受け継がれる古典的な調整法が、タフネス右腕の源だ。登板翌日は両翼のポール間走を10本。休養日を挟んだ休み明けにもシャトルランなどの走り込み、登板間に2度、体を追い込んでいく。平成が終わろうとしている昨今はスポーツ科学が飛躍的に進歩しているが「僕は昭和の人間なので走らないと。とにかく走って追い込むのが僕のスタイルなんです」。シンプルな“昭和スタイル”で心身を鍛え上げる。

 この日は31回目の誕生日だった。左翼席から誕生日ソングが流れるも「そこを意識する余裕はありませんでした」と一心不乱に勝利だけを追いかけた。記念日を白星で飾り、前半戦を7勝6敗の貯金1で折り返した。「思うように貯金が作れなかった。後半戦は1つでも多く貯金が作れるようにしたい」。エース菅野に並ぶ2大柱の一角を担う「どすこい右腕」が自分の歩幅で未来へと進んでいく。【島根純】

 ▼今季2度目の4連勝となった巨人は2位で前半戦を終了。前半戦2位で終了は16年以来17度目で、前半戦2位から逆転優勝は過去6度あるが、今年は借金1の2位。巨人が借金で折り返して逆転Vは73年の1度だけ。34勝37敗1分け、首位中日から5・5ゲーム差の4位で折り返した73年は、後半戦貯金9で逆転しV9を達成した。