馬場が痛快、清宮斬り! 12日、青森・弘前で開催された「フレッシュオールスターゲーム2018」で阪神のドラフト1位ルーキー馬場皐輔投手(23)が躍動した。初回、日本ハム清宮幸太郎内野手(19)とのドラ1対決に、空振り三振で勝利。生まれ育った東北の地で勇姿を披露した。なお清宮は第2打席で豪快な1発を放ち、優秀選手賞を獲得。試合は全ウエスタンが勝利し、MVPには中日石垣雅海内野手(19)が選ばれた。

 怪物清宮との対決を制した馬場は、力強くマウンドを駆け降りた。ウエスタン選抜の先発に抜てきされ、初回に実現したドラフト1位対決。軍配は虎の剛腕に上がった。

 「2アウトまでとんとんといったので、最後三振を取りたいと思っていた。ギアを上げて投げました」

 清宮のバットにボールをかすらせもしなかった。初球は外角への直球が外れた。しかし2球目、3球目と直球で空振りを奪い、追い込んだ。カウント1-2からの4球目。外角低めへの133キロのスプリットに清宮のバットは空を切った。「緊張する中でちゃんと体が動いてコントロールもまとまっていた。心の成長ができたのかと思います」。1打席のみの勝負で、自身の成長を実感した。

 1月に行われた新人選手研修会で清宮と初対面を果たした。「体も大きいと思いますし、すごい遠くに飛ばす印象はあります」と話していたが、フレッシュ球宴への参加が決まった直後は「話題作りのために野球はやっていないので(笑い)」と対決へのコメントを避けた。この日の試合後は「やっぱり意識はしますね」と本音を吐露。胸に秘めていた年下のゴールデンルーキーへの対抗心を、実戦で爆発させた。

 宮城・塩釜市出身で、仙台育英、仙台大とプロ入りするまで宮城で育った。「東北で試合をやるのは自分の中でも違う部分もあったので。楽しんで投げられました。勢いをしっかり後半戦に乗っけて投げられたらと思います。1軍で投げられるように頑張ります」。

 1軍では6月21日のオリックス戦(甲子園)でプロ初登板初先発を果たし、6回5安打1失点と堂々の投球を見せた。惜しくも初勝利とはならなかったものの、次戦への期待を抱かせた。虎の背番号18が地元東北の地で、飛躍への弾みをつけた。【古財稜明】