右足腓骨(ひこつ)骨折から復活を期す阪神糸井嘉男外野手(36)が16日、兵庫・西宮市内の鳴尾浜で本格的なフリー打撃を再開した。逆風にもかかわらず、驚異的なパワーを見せつけ、計85スイングで柵越え9本をマークした。

 6月30日に骨折。今月13日の球宴第1戦に代打で強行出場したが二飛に終わっていた。同日の試合前のフリー打撃では10スイング、翌14日の試合前練習でも17スイングしたが、両日とも柵越えは0本。この日の最後の1球はバックスクリーンの時計下に直撃。相変わらずの飛距離を披露し、順調な回復ぶりを見せた。

 守備練習再開も大きな収穫だ。前日15日、金本監督も「ひねりとか、回転とか切り返しとか、まだ時間がかかりそう」と状態を不安視するなかで糸井自ら外野ノックを志願。右翼と中堅の位置につき、時折スピードを上げながら約5分間、飛球処理の練習を行った。

 この日、打撃投手とノッカーを務めた新井2軍育成コーチは糸井の状態について「緩い球を投げて打ってみるのは問題ない。あとは切り返しのところでしょう。明日の朝の状態を見てみないと」と説明。主砲が、復活ロードを着実に歩んでいる。【古財稜明】