プロ野球創生期の阪神主力投手だった若林忠志氏(58歳没)の長男・忠雄氏(83)が17日、阪神-巨人14回戦(甲子園)でファースト・ピッチ・セレモニー(始球式)に臨んだ。

 カリフォルニア州アーバイン在住の忠雄氏が甲子園を訪れたのは、父親が現役だった1948年(昭23)以来、70年ぶり。マウンド前からノーバウンドで投げ込んで「感慨無量です」と話した。

 若林忠志氏はハワイ・オアフ島生まれで、実業団チームの日本遠征チームのメンバーとして来日。旧制本牧中学、法大、コロムビアを経て、28歳で阪神入りした。

 エースナンバー「18」を背負った投球は多彩で、「七色の変化球」を操りながらあげた通算233勝は球団史上最多記録。毎日に移籍して45歳で現役引退するまで、通算237勝(144敗)をマーク。阪神、毎日の両球団で監督も務めた。

 「タイガース子供の会」の創設者で、慰問活動などにも尽力した。現在、阪神球団は若林氏の功績をたたえて、社会貢献活動、ファンサービスに取り組んだ選手を「若林忠志賞」として表彰している。