ロッテ・ボルシンガーが両リーグ最多の13勝目を挙げた。140キロ台前半のカット気味に動く球を軸に、スライダーとナックルカーブで味付けした。ゴロアウト13で二塁を踏ませず、7回まで打者3人ずつで片付けた。「速球が走っていたので変化球が生きたよ」。前回は連勝が11で止まったが、湿気の多い日本の夏に対応するため水分補給を増やした。「千葉よりは暑くなかった」と仙台での快投を振り返った。

 楽天岸と防御率1、2位の先発対決を楽しんだ。球宴で「彼の速球は僕より速く、カーブは遅い。緩急がある。自分は速球を大切にしたい」と考えた。三振を量産する岸とは別に、打たせて取る持ち味に徹した。「いい投手なのでゲームプランは単純。点を先に与えないと言い聞かせた。楽しいし、自分も向上する」。7回3失点の岸に対し、8回無失点で防御率は0・03差に迫った。チームを3位に浮上させ、上機嫌で引き揚げた。