勝ったオリックス関係者の方が「強いわ~。あそこでポンポン打つチーム、ないわ」と嘆いていた。無理もない。3-7の8回、西武は先頭山川がソロ、1死から中村が2ランで1点差まで詰めた。2回には森が一時逆転の2ラン。5回は秋山がソロ。計4本塁打で全得点をたたき出した。しかも、全て完璧な当たり。チーム本塁打を133とし、ソフトバンクを抜いて12球団トップに立った。最終回も敵の守護神・増井から1死一、二塁をつくり、長打が出れば逆転まで迫った。連勝は3で止まったが、首位にふさわしく、負けてなお強し、だった。

 何より、中村だ。逆方向への強烈な1発で、自身初の5試合連続本塁打。春先の絶不調は、今は昔。辻監督は「もう完璧。大したもの」と言ったが、中村本人は「まあまあ。普通です」とサラリ。そんな7番打者は、終盤の追い上げに「いいんじゃないですか。負けの展開でも、何とかね」と全員の思いを口にした。

 もちろん、負けは負け。辻監督は「結局、無駄な点が後になると」と、今井が打たれた満塁弾や、2番手武隈の失点を悔やんだ。超が3つはつく強力打線だけに、極力、失点を減らせば、また連勝街道に乗れる。【古川真弥】

 ▼中村が8回に本塁打を放ち、これで5試合連続アーチ。中村は昨年まで4戦連発を3度記録していたが、5戦連発は自身初めてだ。5試合以上の連続本塁打は昨年のゲレーロ(中日=6試合)とバレンティン(ヤクルト)以来で、西武では05年カブレラ以来5人、7度目。また中村は5試合すべて走者を置いての1発。走者ありの場面で5試合以上連続本塁打は、04年松中(ダイエー=6試合)以来で、球団では初めて。