代打の神様がまたやってくれた! 阪神原口文仁捕手(26)が同点打を放ち、広島の優勝マジック点灯阻止に貢献した。1点を追う8回、藤川の代打で登場。1死一、三塁からフルカウントで迎えた6球目だった。内角に甘く入った落ち球に詰まりながらも左中間手前に落とし、三塁走者の植田が生還。見事、逆転勝利につなげた。

 「全員がつないでくれた打席だったので、なんとかかえす、そういう気持ちでいきました。必死のパッチでいきました!」

 驚異的な数字が勝負強さを証明する。これで今季の代打成績は34打数17安打で打率5割。さらに、得点圏での代打は14打数10安打、7割1分4厘と抜群の勝負強さを発揮している。「今はこういう立場なので、出た時にチームプラスになれるように結果を残すだけです」。ベンチで出番に備え、準備を怠らない。金本監督は「ここ一番で最高の集中力、しぶとさといいますか。毎回、毎回、いい仕事をしてくれます」と信頼は絶大だ。

 フォームを変えないことも好調の秘訣(ひけつ)だ。タイミングを取る際に、前足で踏み込んでから軸足の右足に体重を乗せ、また前足を踏み込んで打球にコンタクトする独特のフォーム。プロ7年目にして1軍に初出場し、ブレークした16年から変えていないという。「自分の体の仕組みからそういう形になった。参考とかはなくて。股関節のはまり具合とかの体の癖を頭に入れて作ってきた感じです」。ブレない姿勢が結果につながっている。

 首位広島撃ちで勢いをつけた。チームは4位で、借金3を抱えるが、「ひとつでも上にいく気持ちがチーム全体にあるので、1戦1戦、戦っていきます」とネバーギブアップ。頼もしい新神様が8月反攻を引っ張る。【古財稜明】