ナゴヤで強い中日オネルキ・ガルシア投手(29)が、7回無失点の好投で12勝目を挙げ、チームの連敗を2でストップ、最下位脱出に貢献した。

 立ち上がりから飛ばした。ビシエドの3ランで先制点をもらうと、左腕から繰り出す140キロ台半ばの直球、スライダーなどの変化球を駆使して阪神打線を料理した。7回、94球での降板は森監督に「試合は作ってくれたが、あそこで疲れたというのが情けないね」とお小言をもらったが、ガルシアは「最初から飛ばしたので、球数は少ないけどバテた」と苦笑いした。

 ナゴヤドームにはめっぽう強い。12勝のうち、今季これで10勝目。外国人投手では、同球場での初のシーズン2桁勝利となった。ガルシアは「自分でも分からないくらい(ナゴヤドームでは)いい投球ができる。みなさんの応援のおかげです」とファンに感謝した。

 気分転換もしていた。前日、7月に加入した同じ左腕投手のロドリゲスに、髪を切ってもらった。そのとき、左側頭部に3本のラインを入れてくれたという。おしゃれな仕上がりに「ファッションだよ」とガルシアもお気に入りだ。

 12勝は大瀬良(広島=13勝)に次ぎリーグ2位、防御率(2・71)もリーグ3位だ。本人は「野球人生で2桁勝利は初めてで、最多勝や防御率1位になれればうれしいが、そういうことを考えすぎると自分の投球ができなくなる。意識しません」と言い切った。頼れる左腕が、まだまだ白星をファンに届けてくれるはずだ。【高垣誠】