ノースアジア大(秋田)の1年生右腕・中村彪(久慈工)が10連覇を狙う富士大(岩手)相手に、リーグ2戦目の登板で初先発初完投初勝利をマークした。

最速143キロの直球はこの日140キロを計測。左打者には沈むチェンジアップ、右打者にはスライダーを多投して、9回6安打9奪三振1失点に抑えた。イケメンルーキーは「真っすぐが走っていた。コースの内外を使って、追い込んでからはうまくボール球を使えた」と胸を張った。

緊急事態だった。前日25日に指揮を執っていた古川修平監督(47)に代わり、長瀬達哉コーチ(26)がベンチに入って采配を振った。同コーチは昨夏の甲子園に出場した系列の明桜高(秋田)の部長を務め、今春から同大のコーチに就任。筋トレでチームを底上げしていた。中村は大学入学後から体重が3キロアップの65キロまで増量。「今まではテンポを上げて投球すると息切れしていたが、もう大丈夫。こんなに抑えられてビックリしている」。大学から髪形をツーブロックに変えた色白右腕が、絶対王者に土をつけた。【高橋洋平】