獅子の尻尾はすぐそこだ! ソフトバンクが18安打12得点の大勝で4連勝を飾り、最大11・5ゲームあった首位西武とのゲーム差を4まで縮めた。主役は前日1日に右足爪先に死球を受けて途中交代した中村晃外野手(28)。2戦連発となる13号3ランなど、3安打4打点の不死身の大活躍で猛攻を導いた。ここ14試合は13勝1敗の快進撃で貯金は今季最多の13。いよいよ本気の大逆転優勝モードだ。

クールな男が相好を崩した。1点リードの3回1死一、二塁。中村晃は楽天古川の低め変化球をすくい上げ、右翼席にたたき込んだ。点差を4点に広げる13号3ラン。「追加点を取るチャンスでしたし、思い切っていけたと思う。チームとしても大きい点だったと思いますし、打てて本当に良かったです」。2戦連発でベンチに戻ると、会心の笑みで祝福に応えた。

1日の試合では、4回に楽天岸から右足の爪先に死球を受け、顔をゆがめた。走者としてプレーを続けたが直後の守備から退いた。今季は4月に右太もも裏を痛め10日間離脱したが、昨年までは2年連続で全試合出場。試合に出続けることを一番の目標としてきた。口には出さないが、相当の痛みがあったはずだ。試合後はアイシングで患部を冷やし続け、痛みや腫れもだいぶ治まり、試合に出られる状態になった。この日からは右足の防具を、爪先まで覆うタイプに替えて臨んだ。

7回にも適時打を放つなど猛打賞で4打点。奮闘に引っ張られるかのように、チームは6試合連続2桁安打となる18安打12得点で4連勝、貯金を今季最多の13に伸ばした。首位西武が敗れたため、後半戦では最接近の4ゲーム差まで迫った。殊勲の巧打者は言った。「本当に、1試合1試合が優勝につながっていく。みんなで協力して大事に戦っていきたい」。残り29試合。西武との直接対決も7試合あり、大逆転Vへナインも本気だ。【山本大地】