DeNA嶺井はバットを放り投げ、確信を持って打球の行方を見つめた。1点差に追い上げられた直後の5回2死一、三塁。初球の外角141キロを右翼席にたたき込んだ。流れを引き戻す5号3ラン。「平良が粘って投げてくれていたので、何とかランナーをかえそうと食らい付いていきました。いい感じでスイングできました」とうなずいた。

2日阪神戦以来の先発マスク。開幕から捕手は併用が続くが「自分にできることは同じ」と準備を欠かさない。この日も試合開始5時間前にグラウンドに出て、伊藤らと汗を流した。打率は1割台と高くないが、努力の積み重ねが1発の土台となった。守っては同じ沖縄出身の平良を懸命にリード。リリーフ陣も必死に引っ張った。負ければ最下位転落の危機を救い、今季初のヤクルト戦カード勝ち越しも決めた。巻き返しへ正念場の9月。「1点でも少なく抑えられるように、バッテリーで頑張ります」と力強く誓った。