中日白井文吾オーナー(90=中日新聞社会長)が12日、森繁和監督(63)の来季去就について「白紙」を強調した。都内で行われたオーナー会議後に報道陣に対応。正監督に就いて2年目の今季は、昨季の5位に続いて、ここまで最下位と低迷。6年連続Bクラスの危機だ。オーナーは一定の評価はしたものの、続投させるか否かは未定とした。チームはこの日、甲子園での阪神戦に敗れて今季リーグ優勝の可能性が消滅した。

「最近強いよね」とうなずいた白井オーナーだが、自ら「だからどうの、というところまではいってないんだけど。まだ9月。ガタガタする(あわてる)ことない」と言い足した。

肝心の2年間の評価についてはこう答えた。「評価はしているよ。立派な監督だ。家族が亡くなっても歯を食いしばって指揮を執っておるからな」。昨季終了時と同じように、昨年8月に愛娘を亡くしながらベンチに立ち続けた精神的な強さを称賛した。また「みんなの前で、いいことを言うんだ」と人間的な部分での好印象も口にした。

16年8月、谷繁監督の解任を受けてヘッドコーチから監督代行に。17年から監督になった。自ら「つなぎの監督」と役割を明確にしてスタート。若手育成や編成面の強化など、球団再建を目指した事実上の“全権監督”を担ってきた。

「いい方向にいっているか」と聞かれるとオーナーは「いい方向とは言わない。でも本人は(やり方を)軌道修正している」とやや厳しめ。7月の中間報告では「やっていることは間違っていない」と話していたが口ぶりは慎重になった。まだAクラスを狙える位置にいる。順位による続投条件などは「優勝したら胴上げしないと。2位、3位なんてケチなこと言うな」と笑って明言を避けた。

気になる発言もあった。「(本人が来季も)本当にやりたいか分からんよ。生活を犠牲にしている。ぼちぼち家庭に戻りたいというのもあるかもしれない」と推し量った。監督とは直接話していないというが、続投が既定路線ではないことが見え隠れした。

西山球団代表は「何も決まっていない。オーナーも決めていない。全てこれから」とコメント。来季体制の前に、CS争いに集中する構えを強調した。【柏原誠】