パ・リーグ優勝争いの3番勝負第1ラウンドは首位西武の圧勝だ! 2位ソフトバンクと3・5ゲーム差で迎えた3連戦初戦。山賊打線が本領を発揮し、3本塁打を含む12安打11得点で豪快に勝利した。4番山川穂高内野手(26)が2本塁打を放ち、球団では11年中村(48本)以来の40本塁打に到達。このまま連勝を続ければ、明日17日にも優勝マジック11が点灯する。

変則右腕も相手ではなかった。9-3の8回2死二塁。山川はソフトバンク高橋礼から左翼へ、この日2本目の1発を放った。サブマリンの浮き上がりながら逃げるスライダーを完璧に捉えた。「(5回に)1本打ってたので、その感覚のまま入れた。甘い球が来たと思った」と2ボールからフルスイング。節目の1本でダメを押し、キリッとした表情のまま、ダイヤモンドを1周した。

球団7年ぶりの40号に達し「めちゃくちゃうれしい。心の中で超えたいと思っていた」と素直に喜んだ。フルシーズン1軍で戦うのは今年が初めて。規格外の飛距離で本塁打王争いを快走してきたが、「まずは1年やってみて」と数字の目標は控えていた。40本こそ秘してきた数字だった。1点差に迫られた5回は、浅村が3ランで突き放した直後、千賀の初球のフォークをバックスクリーン左へ運ぶ39号。王手をかけると、1打席挟んであっという間にクリアした。

開幕から4番に座るが、順調な時ばかりではない。8月は打率2割1分7厘と低迷。同23日から12試合ノーアーチが続いた。昨季までの4番中村は快調に1発を重ねていた。「4番、代えられるかな」。だが、辻監督にその気はなかった。むしろ「ホームラン狙いすぎて、スイングが大きくなってるぞ」と声をかけられ、復調につながった。「4番で使い続けてくれる。感謝です」と言った後、熱っぽく語った。

山川 やっぱり、自分が打てないで負けちゃいけないんです。それが4番。また、そういう思いでやっているから自分に厳しくできる。打てなかったけどチームが勝ったからいいや、とは思えない。

4番の矜持を胸に戦う。勝負の3連戦。試合前から「意識しまくりです。自然とそうなる。だったら、意識して勝った方がいい」と気合が入っていた。その勢いのまま、打ちまくった。「残り試合も打ちまくりたい。まずは41号です」と締めた。打つことが、勝ちにつながると信じている。【古川真弥】

▼山川が初のシーズン40本塁打到達。40本塁打以上は16年筒香(DeNA=44本)以来で、パ・リーグでは11年中村(西武=48本)以来7年ぶり。西武の打者では中村に次いで6人目、13度目となった。山川は入団5年目。入団5年目以内で40本以上は50年別当(毎日=3年目=43本)63年王(巨人=5年目=40本)69年長池(阪急=4年目=41本)85年秋山(西武=5年目=40本)に次ぎ史上5人目。