絶好調の阪神大山悠輔内野手(24)が、虎のレジェンドたちに挑む。9月は打率4割5分5厘、8本塁打で19打点と大爆発。月間11本となれば田淵幸一、真弓明信両氏に並び球団日本人選手最多、13本ならランディ・バース氏の球団記録に並ぶ。9月は残り11試合。記録更新に大きな期待がかかる。チームは今日19日ヤクルト戦(神宮)に敗れれば優勝の可能性が消滅するが、クライマックスシリーズ(CS)進出に向けた戦いは続く。最下位からの逆襲へ、背番号3のアーチは欠かせない。

17日にDeNAにサヨナラ負けを喫し、最下位に再転落。今日19日のヤクルト戦に敗れれば13年連続でのV逸が決まるが、3~6位まで1・5ゲーム差にひしめく激しいCS進出争いは続く。チームのピンチ、最後の勝負どころに、大山は強い決意をにじませた。

「1球1球、集中していかないといけない。チームの勝利に貢献していきたいです」

阪神打線で今、もっとも期待を抱かせる男だ。9月は打率4割5分5厘、8本塁打で19打点と大爆発している。特に16日DeNA戦(横浜)では1試合3本塁打を含む6打数6安打の固め打ち。翌17日にも初回に先制10号ソロを放つなど7打席連続安打とエンジン全開。2戦で4発を含む8安打をマークし、敵地で猛威をふるった。プロ2年目以内での2桁本塁打到達は80年に新人だった岡田彰布以来、38年ぶり。待ちに待った生え抜き大砲の誕生に、大きな期待がかかる。

月間2桁本塁打を記録すれば、球団日本人選手では浜中治(現2軍打撃コーチ)以来12年ぶり。11本をマークすれば田淵幸一、真弓明信両氏の持つ、球団日本人選手最多記録に並ぶ。その先にあるのはランディ・バース氏の13本。9月は現時点で残り11試合ある。簡単ではないとはいえ、この爆発ぶりなら…と可能性は十分感じさせる。

12日の中日戦(甲子園)で2戦連続弾を放った大山に、金本監督は「覚醒? まだ早すぎるでしょう」と苦笑いしながら、「でも本人はそう思っていいんじゃない? いい意味で勘違いしてほしい」と背中を押していた。その後は、指揮官の期待通りの大爆発だ。和製大砲候補が9月記録的アーチ量産を成し遂げれば、CS進出はぐっと近づく。【真柴健】