20日の広島-阪神21回戦戦がプロ野球史上14度目の2日がかりの試合となった。阪神が5-4で広島を下し、試合終了は21日午前0時3分。9回で決着がついた試合では史上最も遅い終了となった。降雨の影響で試合開始が1時間9分遅れ、2回裏終了後には1時間2分中断。さらに5回終了後にも12分間の中断。悪条件の中、両軍は総力戦を繰り広げた。広島のマジックは4のまま足踏みとなった。

深夜の大激闘だった。プレーボールから約5時間後、もう雨はあまり降っていない。9回裏、阪神の守護神ドリスが広島鈴木を空振り三振に仕留めて試合は終わった。前夜の神宮でのヤクルト戦から一夜明け、午前8時過ぎの新幹線で東京駅を出発。約4時間の移動による疲労とも格闘しながら日をまたいだ接戦を制し広島戦は3連勝。阪神金本監督は「久々のね。午前様ですわ」と笑った。

セ・リーグは8月28日から「連盟管理節」に入っていた。試合挙行の可否や試合開始の時刻の変更などを、セ・リーグ統括または当該試合の球審が代行する。これ以上は全日程の終了を遅らせたくない-。関係者は強い降雨の中で試合開始を模索した。午後6時開始予定の試合は1時間9分遅れで始まった。

強い雨にさらされ、2回終了後に1時間2分の中断。午後9時ごろに試合は再開された。雨は断続的に降り、グラウンドの整備が行われた5回終了後にも12分間の中断があった。金本監督は「5回がいっぱいいっぱいかなと思ったけど突然やんだからね。しんどかったね」と心境を吐露した。

この日、セ・リーグから新たに追加日程が発表され、阪神は10月9日に巨人戦(甲子園)が組み込まれた。この日の広島戦が中止となれば15連戦になる可能性もあった。「選手にケガがなかったから、それを第一の良しとして、2つ目は勝ったこと」と金本監督。最下位ながら3位巨人に1ゲーム差と迫り、上位進出への足掛かりを築いた。

◆雨広島雨天メモ 午後6時開始予定の広島-阪神21回戦は09年のマツダスタジアム開場後、最も遅れた1時間9分遅れで始まった。セ・リーグで試合開始が最も遅れたのは07年9月24日の広島-ヤクルト戦(広島市民球場)で1時間29分遅れ。また、マツダスタジアムでの試合では、この日の1時間2分の中断は4位タイの長さで、最長は14年8月14日のヤクルト戦の1時間35分が最長(ノーゲーム)。