ソフトバンク甲斐拓也捕手(25)が攻守で活躍し、4連勝に導いた。2回に右越え先制二塁打。6回にも同じく右越えに適時二塁打を放った。前進していた右翼手のはるか頭上を甲斐の打球が抜けると、オリックス山岡はガックリと肩を落とした。

今季の甲斐はオリックス山岡に8打数6安打と得意にしている。どちらの二塁打もスライダーを攻略した。「結果的なもので、相性がいいとは思っていない。いい投手なので気持ちで負けないように。スライダーもいい球なので頭に入れていた」。工藤監督からも捕手として配球を考えて打席に入るように言われているが、しっかり読みが当たった。

負けられない戦いが続く中、甲斐には早めの代打を送られるケースが増えていた。19日から捕手2人制になったが、この日は3年目谷川原が昇格し再び捕手3人制に戻した。「自分の実力だと思う。結果も残していない。歯がゆい気持ちもある」と素直な思いを吐露していた。

工藤監督が「いい打撃といいリードもしてくれた」とほめたように、育成出身バッテリーとして9月2戦2敗だった千賀を7回途中3失点とリードした。昨年から正捕手の甲斐にとって負けられない戦いが続くのは初めての経験だ。甲斐は「しんどいが、いい意味で充実している」と、プラスにとらえた。この日、5年連続でのCS出場が決定した。だが、目標はあくまで逆転優勝。残り15試合、全勝へ突き進む。【石橋隆雄】