広島が球団初3年連続となる9度目のリーグ優勝を決めた。今季限りでユニホームを脱ぐ新井貴浩内野手(41)も歓喜に浸った。

9月5日に今季限りでの現役引退を発表。「最後の最後まで全力疾走で駆け抜けたい。日本一になって、みんなとうれし涙で終われれば最高かなと思う」と話していた。まずはリーグ制覇で、チームメートと喜び合った。

駒大から98年ドラフト6位で入団。「たいしたセンスもない。練習することでここまでこさせてもらった。本当に運のいい、周りの方の出会いに恵まれた、運のいい選手だった」と、努力で2200本近い安打を積み上げた。

兄貴と慕う金本知憲(現阪神監督)を追うように、07年オフに涙を流して阪神にFA移籍。14年オフに自由契約となり、広島に復帰すると、16年にはMVPの活躍でチーム25年ぶり優勝の立役者となった。既に引退した黒田博樹氏とともに、グラウンド内外でチーム強化に尽力。この3連覇の期間中、精神的支柱であり続けた。

「人が好き」だと言う。明るく、分け隔てない性格。チームメートに慕われ、アドバイスを求められることもよくある。「年齢とか実績とか関係なく、みんなかわいい」。後輩をいじって笑いを誘い、また結束は強まっていく。新井が今季限りの引退を発表すると、惜しむ声が相次いだ。リーグ制覇の次は1984年以来となる日本一で、有終の美を飾りたい。