DeNAが“CS仕様”で広島のVを阻止した。アレックス・ラミレス監督(43)は、3回途中から小刻みに継投し総勢7人の投手を投入。昨季クライマックスシリーズを突破したマシンガン継投で封じた。打線はネフタリ・ソト内野手(29)が、今季7度目の1試合2発で、食らいつく広島を突き放した。今季チーム通算本塁打を170号に乗せバズーカ打線も機能。目前優勝を止め、3位巨人に0・5ゲーム差に迫った。

沈黙のマツダスタジアムを尻目に、勝者の行進で球場を後にした。広島の優勝を阻止したラミレス監督は「いい試合ができた」。先制を許すも逆転、逃げ切りの策に、ラミ采配が詰まっていた。球審に告げた投手交代は6度。短期決戦を戦うように采配を振った。

先発浜口が3回につかまると、早々にエスコバーを投入した。7人を完璧に抑え6回から三嶋。7回2死で三上が広島鈴木を打ち取ると、8回先頭も砂田が1人1殺で封じた。最後はパットン、山崎の必勝リレー。小刻みな7人継投に「明日を考えるのではない。いかに今日勝つか。我慢しすぎることはしないようにして、いかに点を取って勝つかということ」と、目の前の勝利に執着した。

指揮官の執念は攻撃にも乗り移る。7回2死、ソトがこの試合2発目となる35号2ランで突き放した。これでチームの今季通算170本目の本塁打。昨季の134本を大きく上回り、直近10年では最多だ。連打を浴びせるマシンガンではないが、本塁打王争いを演じる37発筒香と35発ソトを中心としたバズーカ打線が、リーグ最低の得点圏打率をカバーしている。

同監督は「マツダにくると、あのときのことが自然とフラッシュバックするんだよ」と言う。一昨年、初めてのCSファイナルで敗退。昨季、その悔しさをリベンジした策がマシンガン継投だった。「(采配の)考え方としてはCSに近い。明日も早い回に何かあればちゅうちょなく代えていく」。酸いも甘いも味わった地で、今日からラスト10試合。最終戦はまたマツダだ。「明日勝ってカード勝ち越しという形になれば、また帰ってきて、やってやるんだというモチベーションになる」。短期勝負のラストスパートを切った。【栗田成芳】