プロ初スタメンで、たくさんの経験を積んだ。

楽天の高卒3年目、15年ドラフト4位で入団した堀内謙伍(21)が9番捕手で出場。4回2死二塁、中越え三塁打を放ち、プロ初安打、初打点をマークした。「1打席目に打てず、何とか必死に食らい付いて打てたのはよかったかな」。静岡高時代は甲子園、U18日本代表でも活躍した左打者は、三塁塁上で両手をたたき、にっこり笑顔を見せた。

守備面でもさえていた。身ぶり手ぶりを交えて、高卒5年目の古川をリード。前回登板で西武打線に3回7失点だった右腕が、7回途中まで4安打無失点と好投した。前日に4発を放った西武の山賊打線について「ベンチで見ていて、クリーンアップ以外も気を抜けない打線だと思っていた。凡打も紙一重で」と研究していた。内角を突いたと思えば、うまくカーブで緩急もつけた。

1軍の厳しさを知ったのは、勝利を目前にした9回だ。3安打で1死満塁とされ、打者は秋山。カウント1-1からの3球目、投手の森原に低め直球を要求したが、高めに浮いた球を中越え本塁打された。「ゼロで来ていて、最後の最後まで気を抜いちゃいけない。もっと投手に『低く』とジェスチャーすればよかった。最後のあの場面で周りが見られなかった」。反省を口にした。

堀内を送り出した平石洋介監督代行は「よかったですね。緊張して、もっとバタバタすると思っていたけど、古川の良さを引き出した」と高い評価を与えた。敗ればしたが最後までマスクをかぶらせ「最後やられて、彼にとって忘れられない経験。しっかり学んでくれれば」。今後の糧とすることを期待した。【斎藤直樹】