山賊打線が、またも本塁打で楽天をねじ伏せた。0-2で迎えた土壇場の9回。先頭の中村が遊撃内野安打で出塁すると、続く森の打球は投手ゴロ。併殺打かと思われたが、遊撃手の二塁ベースカバーが遅れて打者走者はセーフ。どうにか生き残った。岡田、源田と連続安打でつなぐと、満塁で1番秋山に打席が回った。

秋山は「最後の流れで回ってきて思い切っていこう」と決めていた。暫定的に守護神を務めるマウンドの森原は、初球から150キロの直球を2球続けてきた。初球はボール、2球目は力を入れたスイングも空振り。3球目、高めに浮いた直球をたたいた。左中間スタンドに飛び込む、プロ入り初の逆転満塁本塁打。「あんなに飛んでくれるとは思わなかった。最高の形になってくれた」と喜んだ。

これで10連勝となり、優勝マジックを5に減らした。「必死に戦った結果。最後まで気を抜かずにいきたい」と秋山。27日から始まる2位ソフトバンクとの3連戦を見据えた。

辻監督は「(秋山は)どうにかしてくれると思っていたけど、同点にしてくれるかなと思っていた。まあ見事です」とたたえた。指揮官の期待も越える山賊打線。前日はソロ4発、この日は1発で4点を奪い、本塁打のパワーをまざまざと見せつけた。