西武辻発彦監督(59)が“10年周期の法則”を守った。

08年以来10年ぶり22度目となる優勝が決まった。今年は、ライオンズが西武となり40年目。節目のシーズンを飾った。

昨年12月だった。辻監督は、球団関係者から「西武は10周年(88年)、20周年(98年)、30周年(08年)、全て優勝しています」と言われ、初めて節目の責任を知った。

辻監督 プレッシャーだよ。優勝は簡単なことじゃない。優勝争いしてないならともかく、こうやってしてるとね。これで優勝を逃したら、どうしようと思うよ。

優勝マジック点灯目前の9月中旬、40周年の義務感の心境を、こう明かした。

開幕前から腹をくくっていた。「今年は山川を4番で使うと決めていた」。オープン戦は絶不調だったが、ぶれなかった。捕手も若い森を積極的に起用。打撃の良さを買ったこともあるが、捕手としても成長して欲しい思いがあった。今年だけでなく、数年先まで見据え、若い選手に経験を積ませようとした。山川、森らの台頭が開幕8連勝につながった。

ベテランには感謝の気持ちが大きい。「中村、よくやってくれている。疲れているだろうに。本当は休ませたいんだが。栗山、ここぞの集中力は、さすが。見事だ。銀(炭谷)、出場は限られているのに、明るい性格で、変わらずやってくれている。稼頭央(松井)はコーチと選手の間に立ってくれた。本当にありがたいよ」。後半戦になっても勢いが落ちなかった。ベテランの存在抜きには、あり得なかった。

投手陣はやりくりしながらが続いたが、新戦力の芽生えもあった。多和田が3年目でリーグトップをいく15勝。打線の援護に助けられた面はあるが、ローテの柱となりつつある。「今井や斉藤(大将)も出てきた。伸びしろがなきゃ、困るよ」と、さらなる成長も期待している。

79勝で2位に終わった昨季から「背番号と同じだけ勝てれば、優勝もみえてくる」と、自らの背番号と同じ85勝にこだわっていた。この日までに84勝。まるで絵に描いたような展開だった。【古川真弥】