日本ハム石井裕也投手が、現役最後のマウンドに上がった。

3点リードの7回2死二塁。今季初登板で、母校・横浜商工(現横浜創学館)の後輩、秋山と対戦。左飛に打ち取り、締めくくった。先天性の難聴を乗り越え、プロで14年間。愛称「サイレントK」として、戦い続けた。

試合後のセレモニーでは、中日時代にバッテリーを組んだ谷繁元信氏やチームメートだった福留孝介、元日本ハムでBCリーグ石川・武田勝監督らがビデオメッセージを寄せた。妻と長男、長女、母の前で「小学校2年生から野球を始め、その頃からずっと夢だったプロ野球選手の世界に、14年間もいられたのは、たくさんの方々の応援や支えがあったからだと思っています」と感謝の言葉を述べた。

あいさつ後は宮西に肩を抱かれ、両手で顔を覆い、涙をこらえるようなしぐさを見せた。胴上げでは4度、宙に舞った。「プロ野球選手ではなくなりますが、大好きな野球は、ずっと続けていきたいと思いますし、いろいろな形で野球の楽しさを伝えられたらなあと思っています」と、今後に向けて話した。

主に中継ぎとして通算330試合に登板し、19勝19敗6セーブ、83ホールド、防御率3・06の成績を残した。