阪神ドラフト4位の島田海吏外野手(22)がプロ初安打を含む2安打を放って躍動した。

「結果は気にせず、思い切っていこうと思っていた。これが(プロ生活の)始まりなので、継続して結果を出していきたい」

この日は2番中堅で、2戦連続のスタメン出場。初回無死一塁で打席に立つと5球目、外角低めにきた久里の130キロシュートを右翼へはじき返した。延長11回には遊撃内野安打を放ってチャンスメークに成功。金本監督も「2本打てば、十分だと思います」と及第点を与えた。

ただ、持ち味の走塁面には課題が残った。3回には二盗を試みるも間一髪でタッチアウト。プロ初盗塁はお預けとなった。

今季はルーキー勢で唯一の開幕1軍入りを果たすも、出場は4月1日巨人戦(東京ドーム)での代走1試合のみだった。

「(東京ドームの)ベンチから走って出たときは緊張で、ゾワっとしましたね。開幕カードだったので、独特の雰囲気というか…。これがプロなんだなって」

2軍降格後は、ファーム本拠地の鳴尾浜で何度も直線を駆け抜けた。

「半年ぶりぐらいですよね? 1軍に呼んでもらえるの」

9月22日。ウエスタン・リーグ広島戦(由宇)を戦い終えると、歓喜の輪にいた。2軍が8年ぶりの優勝を決め、宙に舞った矢野2軍監督から「再昇格」が告げられた。余韻に浸ることなく、荷物すべてを持って新幹線に乗り込み、いざ甲子園へ-。2軍ではウエスタン・リーグ2位の26盗塁をマーク。盗塁数トップのソフトバンク周東とは1個差。惜しくもタイトル獲得とはならなかったが、自信を深めてきた。

「(盗塁は)ミスしたらいけないという気持ちもあります。でも、それが大きすぎると思い切ったスタートが切れない。(塁に出れば)全部行くつもりで、その中でけん制だと戻るというスタンスに変わりました。スタートで迷うと絶対にアウトになるので…。行くぞという姿勢は出しながら、バッテリーと駆け引きしています」

この日、吉報も届いた。19日からコロンビアで開催される「U23ワールドカップ」のメンバーに選出された。23歳以下のチームではあるが稲葉ジャパン入りを果たした。「アピールの場だと思う。力試しと思って、やってきたことをやりたい」と目を輝かせた。

シーズンは残り8試合。プロ野球生活の第1歩を踏み出した「期待の新星」が、ダイヤモンドを駆け回る。【真柴健】