ソフトバンク王球団会長が、球団初の下克上日本一へ向けてラッキーボーイの出現を期待した。この日、チームは完全休養日。普段の休日は数人の選手がヤフオクドームでトレーニングを行うが、この日は誰ひとり姿を見せなかった。会議などのために同球場を訪れた王球団会長は「12連戦もあったし、毎日、気も張っていたからね」と選手を思いやった。

2位からのCS。ファーストステージは3戦で2勝の超短期決戦。3戦までもつれれば中1日でファイナルステージへ突入。「(2位は)しょうがない。向こうもこちらの長所、短所を分かった上での戦いとなる」と話し、「短期決戦では思いがけないヒーローが出てくることを期待したいね」とラッキーボーイの必要性を口にした。

キューバ代表として国際大会など短期決戦の経験豊富なグラシアルは、日本ハム戦の打率3割6分1厘、4本塁打、12打点。西武戦でも打率3割3分3厘、3本塁打、7打点と好成績を残しているだけに第1候補と言える。宮崎でのフェニックスリーグから1軍合流予定の長谷川勇も日本ハム戦は打率3割7分5厘をマークしている。

王球団会長のイメージは16年交流戦MVPの城所のような存在だ。集中力のある明石、7本塁打とパンチ力がある甲斐や福田。今季3試合連続本塁打の西田らも可能性は十分。絶好調男が、球団に新たな歴史を刻む。【石橋隆雄】