阪神金本知憲監督(50)が11日、17年ぶり最下位の責任を取って、就任3年目の今季限りで辞任すると表明した。

<金本監督の3年間>

【監督就任】15年シーズン限りで和田監督が退任。次期監督就任要請を受け「指導者経験のない自分が重責を果たせるのか」と慎重だったが、3度の交渉を経て受諾。

【超変革】同年のファン感謝デーでスローガン「超変革」を発表。「とにかくチームを変えていきたい」。秋季キャンプでは盗塁練習を積むなど変革に着手。

【掛布2軍監督】監督就任が決まると、掛布球団本部付育成&打撃コーディネーターと「一緒にやれないんですか」と球団に提案し、掛布2軍監督が誕生。2年間、若手を鍛えた。

【若手抜てき】監督1年目の16年は、開幕戦でいきなり新人の高山、3年目横田で1、2番を組んだ。4年目北條は不振の鳥谷に代わりシーズン途中から遊撃を任された。育成契約だった原口を支配下登録した4月末に即1軍で起用すると、初安打を放ち、5月には月間MVPを獲得。高山は2リーグ分立後最多となる136安打を放ち新人王を獲得した。17年も新人大山や糸原をスタメン起用。7年目の中谷が20本塁打を記録するなどブレークした。

【怒りの続投】16年7月8日の広島戦で、3回までに5失点の藤浪を8回まで続投。8失点、161球を投げさせた。「失点は全部四球がらみ。何球投げようが、10点取られようが最後まで投げさせるつもりだった」。

【糸井獲得】2年目へ向け、オリックスからFA宣言した糸井獲りに直接出馬。「初めての恋人や」と口説いた。

【桑原開花】16年に1軍登板のなかった桑原の力を買って17年に積極起用。勝利の方程式にも組み込まれ、抜群の安定感を見せた。67試合に登板し43HPを記録し、10年目で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。

【9点差大逆転】17年5月6日広島戦。投手陣が打たれ5回表で0-9。だが、ここから猛反撃。6回に7点を奪うなど12-9で勝利。9点差の逆転勝利は球団史上初だった。

【大乱闘】17年4月4日のヤクルト戦で、藤浪が畠山に死球を与えて乱闘の引き金になった。矢野コーチがヤクルトのバレンティンに突き飛ばされ、跳び蹴りで応戦。矢野コーチとバレンティンが退場となった。

【助っ人不発】17年は打線の低迷が顕著で、球団は7月に助っ人ロジャースを緊急補強。しかし40試合の出場で終わった。18年は韓国リーグで2年連続30本塁打をマークしたロサリオを獲得。開幕から4番を任されたが、不振続きで6月に2軍落ち。6月半ばにナバーロを獲得した。

【伸び悩み】新人王の高山は2年目の17年に2軍落ちを経験するなど苦闘。16年に122試合に出場した北條も、17年は打撃不振で83試合の出場に終わった。17年に20本塁打した中谷も今季は5本塁打にとどまっている。

【鳥谷止まる】今年5月29日のソフトバンク戦で、鳥谷は出番がないまま試合を終えた。プロ野球歴代2位の連続試合出場が1939で止まった。金本監督は「いつまでもというわけにはいかない。試合をやっている以上は。状況がありますから」と苦渋の決断。