ソフトバンク柳田悠岐外野手(30)が豪快弾で右膝痛の心配を吹き飛ばした。11日、ヤフオクドームで行われたシート打撃で、バンデンハークの高め152キロをバックスクリーン左へ。約140メートルの特大アーチだった。笑顔でダイヤモンドをゆっくり周り、本番さながらにチームメートとハイタッチを交わした。その前の打席でも、バンデンハークの変化球を打ち、中前へ痛烈な安打。2打数2安打で万全ぶりをアピールした。

右膝を痛めた影響で、順位確定後は中盤でベンチに退くケースが増えた。シーズン最終戦の8日ロッテ戦は欠場。前日10日には「いっぱい休ませてもらったので頑張ります。コンディションが上がるように調整したい」と話していた。CSへ向けて、少なからず不安要素だったがバットで拭い去った。藤本打撃コーチも「あんなホームラン打って走ってるんやからね。試合になれば大丈夫でしょう」と安堵(あんど)の顔だった。

リーグ2位から球団史上初の日本シリーズ進出、そして日本一連覇へ、「泣いても笑っても、今年野球できるのもあとちょっと」と意気込むチーム3冠王の活躍は欠かせない。工藤監督は「さすがというところ。長打は彼の大きな魅力。ヒットの後の足というのも魅力。(右膝の回復は)順調です」と目を細めた。昨季は右脇腹を痛めた影響でCSに最初から出られなかった。だが今季はフルで戦える。チームの期待を背負う4番が頂点まで導く。【山本大地】