中日白井文吾オーナー(90)が今季の本拠地最終戦が行われたナゴヤドームを訪れた。来季の監督を現楽天投手コーチの与田剛氏(52)に決めたことに関して口を開いた。

「(与田氏に期待するのは)しぶといところだ。失ったスピードを戻すために、命がけの練習をした。それで今日がある。取り組み方、常人のやり方を超えるすごさを持っていた。その気持ちは、いまも衰えていない。中日を任せても、オレなりに再建してみせようと、心の中で強い決意をもって引き受けてくれた」と白井オーナーは打ち明けた。中日にドラフト1位で入団後、90年に31セーブを挙げ、新人王、最優秀救援投手賞の2冠に輝いた与田氏。最速157キロの守護神だったが、肩、肘を痛め現役生活は短命に終わった。頂点からどん底までを味わった経験に竜の復活を託した。「(星野イズムの継承という)部分もある。精神力ある」とも話していて、与田氏が入団した当初監督を務めていた星野仙一氏(今年1月他界)のイズム継承も期待。3年契約を結んでいるが、「1年でも彼は成績を挙げるんじゃないか。ただちに再建のために全力投球するんじゃないか」と、来季Aクラス入りの可能性にも言及した。

また退任する森監督については同オーナーは「彼は彼で能力を発揮した。若手の育成で実を結ばなかった部分ある。本人も反省している」と、話した。今後は外国人獲得、国内のFA選手の獲得、トレードなど編成部門を託すことも明らかにした。