早大・小島和哉投手(4年=浦和学院)が、今季3度目の完封で4勝目を挙げ、最終週の早慶戦に優勝の望みを残した。テンポ良く、散発6安打で9奪三振。リーグ通算22勝目で、今秋ドラフトに向けて評価が上昇した。

140キロ前半でもバットが空を切った。小島が打者の手元で伸びるボールで明大を手玉に取った。9回1失点完投から中1日で今季4勝目。通算22勝目を3度目の完封で飾った。「試合前から完封するつもりでいた。体的にはきついですが、4年生の最後の意地を見せられた」と頬を緩めた。

抜群の安定感とスタミナで、ドラフトの左投手の筆頭候補に挙がる。立大1回戦から、驚異の5試合連続完投を記録。好調の要因を「どんな投球でも、ゼロに抑えればいい投球なんだと。気持ちの面で成長した」と分析。今年は主将も任され、責任感と冷静な状況判断が投球にも表れた。

視察したスカウト陣の評価は端的だった。広島苑田スカウト統括部長は「手元でボールがくる。評価は上がるし、上位もある」とコメント。DeNA吉田スカウト部長兼GM補佐は「角度が出てきて、ボールがクロスで入ってくる」と打者目線で高評価した。

早慶戦に向け、自身の1年秋以来の優勝に望みを残した。「あの瞬間を後輩にも味わってほしいんです」と言った。この日、報道陣から「今日は今季一番の投球か」と聞かれ、エース兼主将は「早慶戦で一番いい投球ができるように」と力を込めた。【久保賢吾】