矢野内閣の陣容が発表された22日、平田勝男阪神2軍監督(59)がアグレッシブに始動した。フェニックス・リーグ参戦のため宮崎入り。「血が騒ぐよ」と早速参加全23選手と個人面談を行い、本音をぶつけ合った。3回目の巨人監督に就任する原辰徳氏(60)を引き合いに「俺は2軍で3回目。ギネスに載せようか」と“カツオ節”も全開。猛虎再建へファームも明るく熱い!

59歳の年齢を感じさせない情熱をたぎらせ、平田2軍監督が超速始動した。みやざきフェニックス・リーグに参戦中のチームに初合流。期待の若虎たちと顔を合わせると、自然と口調に力がこもった。

「血が騒ぐよ。選手たちの日に焼けた顔を見るとさ、こいつらをなんとか(伸ばしたい)って」

午後3時前、宮崎市内のチーム宿舎に到着するとすぐにコーチ会議、全体ミーティングを開催。トップ選手を例に挙げ、考えることの重要性を説いた。

「金を稼ぐ選手はシーズン中も調整や工夫をしている。(西武)浅村は調子が悪い時にDeNA宮崎のタイミングの取り方を参考にしたとか、(巨人)阿部が甲子園はあまりホームランが望めないからって指1本バットを短く持ってタイムリーを打ったとか」

その後は2時間以上をかけ、参戦中の23選手全員と個人面談。1人あたりの時間は5、6分と長くはないが、膝を突き合わせて本音をぶつけた。

「いいところはもちろん伸ばしてあげないといけないけど、苦手なところを欠点と言わずに、伸びしろだということをね。コーチにもお願いして、欠点で片付けない。伸びしろなんだと選手たちに認識して欲しい」。対話から個々に応じた最適のアプローチを施す。

5年ぶり3度目の2軍監督。「原監督は1軍で3回目だけど、オレは2軍で3回目。もうギネスに載せようかと思ってるよ(笑い)」。ユーモアたっぷりの“カツオ節”もさく裂。今日23日のフェニックス・リーグ斗山戦(生目第2)で初采配を振る。「矢野監督は『お任せします』と言ってくれているので、1人でも2人でも1軍の戦力にして、層の厚いチームにしていかないと。1軍が大変なのは今年分かりすぎるほど分かったから」。2軍は日本一を手にしたが、1軍は17年ぶりの最下位。ファームからの戦力供給で、再建に力を尽くす。【吉見元太】