巨人は23日、新監督に原辰徳氏(60)の復帰を発表し、都内の読売新聞本社で会見を開いた。3日に辞任を表明した高橋由伸監督(43)も同席した。

巨人高橋監督はプロ野球人生21年を終えて初めて背番号24を脱ぎ、夢の続きを見る。原新監督、山口オーナーと同席して会見に臨んだ。「たくさんの声援を頂いたファンに応えられず、悔しい思いでいっぱいです。すべて私の力不足だと思っている。この3年間、誰もができるわけではない、巨人軍の監督を、濃い貴重な経験をさせていただいた」と謝罪と感謝の言葉をつむいだ。

今後は原新監督の前職の球団特別顧問に就く。周囲の思いは一致している。山口オーナーは「再び監督としてユニホームを着てもらいたいというのが私の願い。当面は比較的自由な立場で野球を見てもらいたい」と話した。原新監督も「いいものを残していたし、辞任をする必要はなかったと思う。彼はチームのいいところ、欠点をよく分かっている。生かす意味でスタッフに入った状態で戦いたいと思い、伝えた。しかし少しフリーな時間の中で自分を見つめたいと話し、納得した」と、将来を見据えて首脳陣に加わることを望んだことも明かした。

すぐに将来を夢見ることはできない。夏場ごろから辞任の考えが浮かんだ。元来、責任感が強い。「3年間の力のなさを振り返らないといけない。これから何をしたいのか時間をかけて考えていきたい」。監督就任発表は3年前の10月23日だった。同じ日に別れを告げる。「選手をやめることには線を引けていた。新たなスタート、初めての経験になるので想像できない」。監督高橋由伸としての物語の続きは、未知の経験の先にあるはずだ。