指名祝いの“虎1号”だ! 阪神からドラフト3位指名されたホンダ・木浪聖也内野手(24=亜大)が27日、三重・鈴鹿市内で行われた3事業所NO・1決定戦、ホンダ熊本戦に3番遊撃でフル出場。指名後初実戦で本塁打を含む2安打2打点と気を吐いた。積極的な打撃、守備位置までの全力疾走は矢野燿大監督(49)が求めるスタイルにフィット。即戦力遊撃手が実力の片りんを見せつけた。

夕焼け空に、木浪がアーチを懸けた。8回先頭で迎えた第5打席。代わったばかりのホンダ熊本の右腕・片山の初球140キロを右中間フェンスの向こうへ運んだ。早速飛び出した“虎1号”に、ドラフト後も続いていたという緊張がやわらいだ。

「うれしかったですね。結果が出てホッとしています」

矢野阪神にうってつけの積極姿勢を披露した。6回無死一塁では、右下手投げの菊江の2球目をひっぱたき、右中間を割る適時三塁打。早いカウントから甘い球を逃さず、一振りで仕留めた。好守交代時は守備位置まで全力疾走。矢野監督が今季2軍で口酸っぱくナインに言い続けた姿勢を体現した。

高校通算0本塁打。大学でも公式戦で本塁打はなかった。入社後にトレーニングで下半身をいじめ抜き、低めのティー打撃で下半身の使い方を徹底的にたたきこんだ。飛距離は飛躍的に伸び、岡野勝俊監督(42)は「飛ばす力はチームでも1、2を争うほど」と評価する。「一番いい打者を3番に」という指揮官の方針で、都市対抗後から打順が1番から3番に変更。ポイントゲッターとしてしびれる場面で仕事をしてきた。

レギュラー争いに挑む二遊間には、今季チーム唯一の全試合出場を果たした糸原をはじめ、鳥谷、北條ら実力者がズラリ。「新人なので、うまい選手を見て学ぶところから。守備のことをたくさん聞きたいと思います」と言葉には謙虚さがにじむが、静かに闘志を燃やす。

「練習後も自主的に残っていつまでも打ったり、守ったりしている。本当に野球が好きなんだなと思います」と指揮官が認める練習熱心な24歳。来月6日に社会人最後となる日本選手権の初戦、JR東海戦を控える。「もう勝つことだけです」。自身のプロ入りに最高の花を添える意気だ。【吉見元太】

◆木浪聖也(きなみ・せいや)1994年(平6)6月15日、青森県青森市生まれ。篠田小1年から安田ヤンヤンで軟式野球を始め、青森山田中で硬式野球部に所属。青森山田高では中日京田と同期生。亜大では1年春からリーグ戦に出場し、1年秋と3年秋に明治神宮大会優勝。ホンダでは1年目から二塁、三塁を守り、2年目から遊撃手に定着した。178センチ、80キロ。右投げ左打ち。