阪神矢野燿大監督(49)が27日、甲子園で行われた秋季練習を指導し、来季捕手陣の構想を明かした。今季は梅野が主戦だったが代打の切り札で活躍した原口文仁捕手(26)も含めて、正捕手争いをうながした。

「(レギュラーの)確約というものはない。『じゃあどうぞ』というところまでは来ていない。競争してもらう。原口だって捕手で使うかもしれん。相手や状況や場面によっては、そういうことも考えようかな」

現時点で横一線の競争ではない。今年は梅野が121試合で先発マスクをかぶり、頭一つ抜け出している。指揮官も「実績はもちろん考慮する。経験というのは一番大きい」と認める。だが、他の候補選手にも思いをはせ、昨秋キャンプから捕手に再転向していた原口について言及。「俺は(候補から)消していない。正捕手って言うと原口自身も頑張る。打てるのが、うちの捕手のなかで大きな武器になる。性格とか内面がすごく捕手っぽい。あとはスローイング、ワンバウンド処理や、配球も含めてになってくるけど、わざわざ消さんでいいんと違うかな」と続けた。

今季は原口の勝負強さが光った。主に代打として力量を発揮。23本の代打安打は、08年の桧山進次郎氏(日刊スポーツ評論家)に並ぶ球団最多タイ記録だ。9月下旬に骨折した左手小指のリハビリもあり、オフは鳴尾浜で練習を続けているが、この日はフリー打撃を行うなど回復している。来季4年目の坂本も候補者だ。先発マスクを巡って火花が散る。【酒井俊作】