「甲斐キャノン」が試合の流れを変えた。途中出場した甲斐が、台湾の盗塁王を刺した。

9回の守備から甲斐拓也捕手がマスクを被ると、日本シリーズMVPの肩に観客の視線が集まった。1死から今季44盗塁の台湾盗塁王、王威晨が出塁するとさらにボルテージが上がった。2死になり、まずは初球で王威晨がスタートを切った。ファウルになったが、期待感にざわめきが起きた。さらに4球目で王威晨が再び盗塁を狙った。甲斐は二塁やや右へどんぴしゃの送球で悠々タッチアウトにした。「甲斐キャノン」の本領発揮に大歓声が起こった。

甲斐は「雰囲気は、走ってファウルされたときの感じでわかりました。期待されるのはうれしいし、それに応えないといけない。今日も投手のおかげ。(山崎)ヤスがクイックや間合いを変えたりしてくれた。感謝したい」。完敗ムードだったが、その裏の攻撃で一気に5点を返し1点差にまで迫った。