大リーグのマリナーズを退団した岩隈久志投手(37)が27日、仙台市内の広瀬中を訪れ、いじめ撲滅プロジェクト「BE A HERO」のイベントに参加した。
発起人として全校生徒約1200人に講義を行った後、野球部とソフトボール部を激励訪問。質問タイムでは野球部の3年生投手が“先発登板”。いきなり「来年はどこの球団にいたいのですか?」と“初球”からど真ん中に投げ込まれて苦笑い。それでもしっかり受け止め「FAになった状態なので、正直まだ決まっていません。各球団から話をいただいているので、しっかり考えて決めたいと思います」と現状を明かした。
獲得オファーを受けている楽天復帰に関しては「可能性はあります」と即答した。「すごく有りがたいことだと思っています。仙台には家もありますし、帰ってきたなという感じはあります。必要とされるところでチャレンジしたい思いがある。目途は決めていないですが、早く決めて次に向けて進んでいきたい」。国内外に選択肢を持ち、決断を下す予定だ。
いじめ撲滅を目的とした講義「HEROになろう」では壇上に立った。
<1>「HELP」(ヒーローは、友達を助ける勇気、助けを求める勇気を持ちます)
<2>「EMPATHY」(ヒーローは、弱者の気持ちに共感します)
<3>「RESPECT」(ヒーローは、どんな相手も尊重します)
<4>「OPEN MIND」(ヒーローは、心を開き、みんなを受け入れます)
4つの指針に思いを込め、学校生活での事例を問題提起して、生徒たちの意見も求めた。「1人1人がヒーローになって、正しいことを格好良いと思い、行動できて、発言できて、人を助けられる人間になってほしい」。ディスカッションもしながら、いじめへの意識を高めた。
イベント後には仙台市役所で郡和子市長(61)を表敬訪問。仙台市教育員会から、いじめ撲滅プロジェクト活動に対して感謝状を受けた。