日本ハムにドラフト1位指名された金足農・吉田輝星投手(3年)が28日、秋田市内で行われた「秋田県県民栄誉章顕彰式」に出席した。秋田市内の野球部員からの質問コーナーで「成長するためには?」と問われると、「目立ちたい気持ちが成長に必要」と金言を伝授。今夏の甲子園準優勝の原動力にカナノウナインの結果にこだわる姿勢を挙げた。一般公募で集まった1050人を前に、日本ハムでの活躍も約束し、アイドル並みの黄色い声援も浴びた。

未来の高校球児を前に、吉田が立ち上がって「カナノウ魂」を伝えた。今夏の甲子園3回戦横浜戦で逆転3ランを放った高橋佑輔内野手(3年)の母校・勝平中2年の藤井日々樹くんから「成長していくことで一番変化があったことは?」の質問に、マイクを握った。「目立ちたいと強く思う気持ちが絶対に必要。高橋は常に目立ちたがり屋。『オレが決める』という気迫がすごい。そこが、みんな成長につながったと思う」。全国舞台での前評判は高くなかったが、1戦1戦成長を重ね、県勢103年ぶりの準優勝を導いた原動力を明かした。

自身もプロとしての目立ちたい精神は継続するつもりだ。代表して行ったあいさつでは「北海道から熱いニュースを届けたいと思っているので、これからも応援よろしくお願いします」。集まった1000人を超えるカナノウファンから大きな拍手で激励を受けた。

秋田で育ち、成長した感謝も忘れていない。「秋田県大会でも、甲子園でもみなさんの応援が力になりました。去年の夏の県大会決勝で敗れて甲子園への思いがさらに強くなり、今年の甲子園準優勝につながった。厳しい練習にも耐えることができました」と頭を下げた。

10月上旬の福井国体以来となる金足農のユニホーム姿を披露。「全力校歌」で有名になった校歌も県民と一緒に歌った。司会者からも「最後まで変わらなかったことは?」と最後の質問。吉田は「仲の良さは深まったけれど変わらないこと。自分自身も大舞台でも気迫を表に出してピッチングできたことは変わらなかったと思う」。プロでも不変の気迫投球を約束し、県民への決意表明とした。【鎌田直秀】