阪神北條に飛び込み禁止令が出た。甲子園を訪れた阪神久慈内野守備走塁コーチが29日、明かした。北條は9月14日のヤクルト戦(甲子園)の守備で左肩を負傷。三遊間のゴロをダイビングキャッチで好捕したが、左肩亜脱臼の代償を負った。現在は外でのノックを解禁するなど順調に回復しているが、同コーチは「最初は恐怖心もあっていけないと思う」とおもんばかった。

むしろケガの功名につなげてあげたい。1軍キャンプに参加させるかは現時点では未定で「トレーナーの報告を聞いてから」としたが、参加した場合でも「練習では飛び込まなくていい。そっちの方がうまくなるかもしれないしね。足を使って正面に入ってアウトに出来ればね。飛び込む練習も必要なのかもしれないけど」と語った。クセになりやすいとも言われる肩の亜脱臼。楽とされるダイビングの禁止令を出すことで再発防止につなげ、守備範囲の拡大にもつなげる。

北條以外の選手にも通じる部分がある。秋季キャンプでも、内野で行うアメリカンノック(=通称コロンビアノック)で同様に飛び込みを禁止。足を使い正面に入って打球を処理し、守備範囲を広げるクセをつけてきた。もちろん試合になれば解禁もOK。「飛び込むヤツは飛び込むし。でも試合まで飛び込まなくてもいいんじゃないかな」と同コーチは続けた。鳥谷、北條、植田らがひしめく最激戦区となる遊撃。飛び込み禁止から、カギの堅守につなげていく。【池本泰尚】