巨人が第2のメルセデス発掘を狙う。ドミニカ共和国出身のレイミン・ラモス投手(22=レイズ傘下マイナー)とイスラエル・モタ外野手(22=元ナショナルズ傘下マイナー)を育成選手で獲得することが濃厚なことが5日、分かった。11月に同国でトライアウトを開催し、合格した。今季はメルセデスが育成から支配下に昇格し、夏場から5勝を挙げて大ブレーク。近未来も見据えて原巨人は助っ人育成にも取り組む。

原石をカリブ海で採掘した。11月にドミニカ共和国でトライアウトを実施。国際担当スカウトの目が光る中で、22歳の2人の若者がクリアした。ともにメジャー球団傘下のマイナーでプレー。1Aなどが主戦場で実績は少ないが、潜在能力は高いと評価された。

投手のラモスは185センチの長身から150キロ前後の直球を誇るリリーフ右腕。身長188センチの大型外野手のモタは長距離砲タイプで、巨人で今季支配下登録されたマルティネスよりパワーは上という。勝利の方程式に加えられる救援投手と、1発を打てる主砲は毎年のように補強ポイントに挙がる。来季の即戦力となる可能性は低いが、数年後を見越して育成する近年の中長期的計画にのっとった。

今季は成功例が出始めた。17年に育成契約で入団したメルセデスは1年半のファーム暮らしで日本野球の基礎をたたき込まれ、今年7月に支配下に昇格。育成出身として史上初めて初登板で先発勝利を飾ると、ローテに完全定着。抜群の安定感で5勝4敗、防御率2・05をマークし、2年ぶりのCS進出へと導いた。

16年に育成で来日したアダメスも今季、支配下選手となり、一時は臨時でクローザーも務め、28試合で0勝2敗4セーブ、防御率3・94。メルセデスと同期のマルティネスも初打席初本塁打の鮮烈なデビューを飾った。

助っ人勢の底上げは成功へと転化しつつある。育成出身の輸入車が最高級のベンツに変身したメルセデスのように、無名の2人の若者もジャパンドリームを目指す。

◆レイミン・ラモス 1996年4月27日、ドミニカ共和国生まれ。15年からレイズ傘下に所属し一貫してリリーフ。1年目はドミニカ共和国のルーキーリーグ、2年目は米国内のルーキーリーグ、17年が1A、18年が上級1Aと順調に昇格。今季は8試合に登板し防御率9・22も17年までは好成績で、マイナー計65試合で防御率2・99。185センチ、86キロ。右投げ右打ち。

◆イスラエル・モタ 1996年1月3日、ドミニカ共和国生まれ。13年にナショナルズと契約し、13、14年はドミニカ共和国のルーキーリーグ、15、16年はフロリダ州のルーキーリーグ、17年に1Aでプレー。マイナーでは計188試合で打率2割5分7厘、13本塁打、80打点。17年6月にナショナルズから自由契約。188センチ、74キロ。右投げ右打ち。