オフシーズンの火曜日企画「拝啓、矢野様」第2回は、漫才の日本一を決める「M-1グランプリ」で昨年、今年と2年連続でファイナリストとなった「かまいたち」の浜家隆一(35)。「歌ネタ王」「キングオブコント」など、お笑い賞レースで数々のタイトルを奪取し、4月には東京進出。これぞ虎党という熱狂的な父親の影響で、静かなるファンとなった経緯や関西人ならではの「○○だけには…」という願望、さらにはファンサービスを掲げる矢野阪神に芸人目線での明るい提案を送る。【取材・構成=奥田隼人】

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浜家 阪神ファン…ていうより、「アンチ巨人」なおやじで。阪神が勝ってるより、巨人が負けてる方が喜ぶようなおやじでした。

応援のきっかけは父が作った。中学、高校では自身も野球をしており、芸人となった今も阪神ファン。

浜家 でも、僕は(父親を反面教師に)どっちかというと冷静に応援する方ですね(笑い)。

今年4月には、全国進出を果たそうと、東京へ拠点を移した。東京ドームで観戦した伝統の一戦は惜しくも敗れたという。

浜家 全然ちゃい(違い)ました。甲子園で見てる時は偉そうにできたけど、ちょっとやっぱり肩身が狭いなと思いましたね。関西の人が東京行く時って「負けてたまるか」みたいな感じで行くんですよ、お笑い芸人も。あの感じって何なんですかね…。

矢野政権は、長期5年契約。それゆえ、浜家も「我慢」を宣言。ただ、東京遠征するチームと自身を重ねて、宿敵だけにはどうしても負けてほしくない。

浜家 3年目には首位争いが当たり前で、4年目にはがっつり優勝できるようなチームに! ただ毎年、巨人だけに勝ち越しといて欲しいですね!

数々の大きな賞レースで力を発揮してきた浜家。先輩芸人の森脇健児から授かった「初心を忘れないための座右の銘」がある。スーツの裏地に刻んだ3つの言葉を矢野阪神に送りたいという。それは…。

浜家 「謙虚 素直 感謝」。これです。勝つにはこれしかない。偉そうにせず、真面目にやるだけ。僕が森脇さんから授かったこの「謙虚 素直 感謝」を矢野監督に授けたいです。

来季へ向けては、チームの「軸」となる投手陣に期待。小野、秋山、岩貞、藤浪の名前を挙げた。

浜家 小野選手はストレートも強いし、いいピッチャー。軸になって欲しい。秋山選手、岩貞選手あたりにも頑張って欲しい。藤浪選手は、とにかくすごく期待して、待ってます。

関西のチームは「明るいのが一番」と言い、見ていて「楽しい」野球を期待する。矢野監督は「ファンサービス」を掲げているが、それには、馬場をムードメーカーに指名した。

浜家 (今オフのファン感謝デーで)馬場選手が披露した尼神インター・誠子のものまねは、顔がマジでめっちゃ似てるんですよ。ぜひ、馬場選手には、勝ち星をあげた時にお立ち台で(誠子のネタの)「お待たせいこ」を待ってます。

芸人浜家としても全力バックアップを約束する。

浜家 何かあったら最安値で行くんで呼んで下さい。何でもしますんで。僕は3年目まで何ひとつ文句を言わず、楽しみに試合を見させていただき、良いチームを期待しております。

◆浜家隆一(はまいえ・りゅういち)1983年(昭58)11月6日、大阪市生まれ。NSC(吉本総合芸能学院)大阪26期生。04年に山内健司(やまうち・けんじ)と鎌鼬(かまいたち)を結成し、09年に改名。漫才からコントまで幅広く手がけ、07年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞、17年「キングオブコント」優勝など。高校時代のポジションは投手。金髪にピアスというルックスでキャプテンを務めていた。187センチ、80キロ。血液型B。