日本ハムから移籍した増井が35セーブを挙げた。移籍1年目に30セーブ以上は08年クルーン(巨人)41S、10年シコースキー(西武)33S、14年サファテ(ソフトバンク)37Sに次いで4人目。日本人投手では初めてになる。増井は日本ハム時代の15年に39Sをマーク。30セーブ記録後に他球団へ移籍したのは19人目だが、過去18人のうち16人は移籍後に30セーブを挙げていない。2球団で30セーブは、07年横浜と08年巨人のクルーン、11年広島と14~17年ソフトバンクのサファテに次いで3人目。2球団で30セーブも日本人投手では初めてだ。6月29日には古巣の日本ハムから初セーブを挙げ、江夏(西武)クルーン、サファテに次いで4人目の全12球団セーブも達成した。

タイトルは37Sの森(ソフトバンク)に奪われた。8月終了時に増井30S、森25Sとリードしていたのを9、10月で逆転された。チームの勝敗も影響したが、森は6月27日日本ハム戦を最後にセーブ失敗がないのに比べ、増井は7月以降にセーブ失敗が4度。せめて9、10月にあった2度の失敗がなければ森と並んでいた。増井は39Sの15年もセーブ王になれず、8月終了時のリード(増井34S、サファテ33S)を逆転されている。パ・リーグで35セーブ以上挙げてタイトルを取れなかったのは02年小林雅(ロッテ)37S、14年サファテ37Sと15、18年増井だけ。2度逃した不運な投手は、増井がリーグ史上初めてとなった。

今季は制球力が悪かった。65回投げて与えた四死球が34個あり、与四死球率は4・71。昨年の1・88から一気にダウンし、30セーブした延べ103人で5番目に悪かった。セーブ失敗の8月2日楽天戦では四球で出した走者が同点のホームを踏むなど、四球が失点につながるケースが見られた。初のセーブ王へ、来季は制球力を良くして失敗を減らしたい。【伊藤友一】