巨人菅野が防御率1位、最多勝、最多奪三振の投手3冠に輝いた。防御率1位は3年連続4度目で、最多勝と最多奪三振は2度目。防御率のタイトルを4度以上獲得したのは稲尾(西鉄)の5度、西武で3度、ダイエーで1度の工藤に次いで3人目となり、3年連続は56~58年稲尾以来2人目。セ・リーグで通算4度と3年連続は初めてだ。この3部門のタイトルは合計8度で、村田(ロッテ)に並ぶ9位タイ。6年目の菅野が早くも10傑入りした。

今季はプロ入り初の200奪三振を記録したが、与えた四死球はセ・リーグの規定以上では最少の40個しかなかった。リーグ最多奪三振で最少与四死球は8人しかやっていない記録で、菅野は16年にも経験。1人で2度は上原(巨人)に次いで2人目。200奪三振以上で最少与四死球は59年杉浦(南海)08年杉内(ソフトバンク)以来3人目、セ・リーグでは初めてだ。

今季は15勝のうち8勝を完封で挙げ、全白星に占める完封割合は53・3%。シーズン8完封以上は78年鈴木啓(近鉄)以来で、セ・リーグでは72年稲葉(中日)以来、46年ぶり。セ・リーグ5球団とロッテから完封をマークし、9~10月には自身2度目の3試合連続完封を達成した。同一リーグの全5球団から完封は92年野茂(近鉄)以来で、6球団から完封はセ・リーグが7球団制の52年に別所(巨人)が記録して以来、66年ぶり。3試合連続完封を2度は65、66年バッキー(阪神)以来になる。

勝利数が少ないケースでは完封割合の高い投手もいるが、最多勝で53・3%は珍しい。完封割合が40%以上の最多勝投手は6人、50%超えは19完封で34勝した43年藤本(巨人)以来、75年ぶり2人目だ。今季のセ・リーグはリーグ防御率が4・10と打高投低の中、菅野が投高打低の時代にタイムスリップしたかのような投球を見せた。【伊藤友一】